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2006年12 月27日 (水)

陽気な"テレビ・コンテンツ化社会"が世界を回す(後編) このエントリーをはてなブックマークに追加

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昨晩の『報道ステーション』を観ていたら、松坂大輔の特集と、マグロの特集が組まれていた。 前者はアサヒビールのCMに起用された松坂のCM撮影風景から始まり、高校時代の成績からこれまでの名勝負などを流していた。マグロの方は、マグロ漁船や昨今の漁獲量削減がどうしたという話で、ゲストとして渡哲也が出演。ん? なんのことはない、正月に渡主演で『マグロ』というドラマを放映するらしい。

つまりどちらも広告、パブリシティだ。前者がペイドパブかどうかはわからないけど、テレビ局にとって主要スポンサーのひとつであるビールメーカーのPRを手伝うのは営業の一環。渡哲也の方はただの番宣だ。どちらも報道とは関係ない。

ニュース番組ですらこれなんだから、バラエティはなおさら。『笑っていいとも』はともかく、いまや『徹子の部屋』のゲストだって番宣からみだらけになっている。昨今のテレビはTV-CM以外はパブと番宣しかないのだ。

民放テレビのビジネスモデルの転換

どうしてこうなったのか? これらはここ10年で顕著になったテレビ局のビジネスモデルの転換が原因。民放テレビは広告モデルで運営されてきているのだけど、今のテレビ局のビジネスモデルは、広告だけに頼らず、番組に派生する商品の販売や自社イベントの興行収益の割合が増えてきている。つまりコンテンツ、キャラクタービジネスに重きを置いているのだ。

その典型は映画製作への参入。踊るなんとか線の頃は、「ザ・ムービー」手法で、人気ドラマを映画化していたけど、ここ2,3年は初めから同じタイトルでドラマと映画を両方作るというのが流行。『電車男』手法。映画がドラマの番宣であり、ドラマが映画の宣伝という手法。おれがあいつであいつがおれで。そして、それらは最終的にDVDというさらに粗利の高い商品になる。今フジテレビは国内最大の映画製作会社だ。

従来なら映画の放映権を買って、テレビに流すのがテレビ局の仕事のはずなのに、自ら制作側に回っているというのは、昨日書いたスポーツ中継のバレーボールの話と同じ。既存コンテンツの放映権を買い、放映して広告をとるのでなく、自らコンテンツを作りだし、ジャニーズの応援歌の版権など、副次的収益まで得るという手法。ひとつのコンテンツをさまざまな商品に作り変え、商売をするというのはディズニーやサンリオが得意とする、キャラクター、コンテンツビジネスの基本だ。

サルティンバンコ化するテレビ

フジテレビを例にコンテンツビジネス化の歴史を簡単に辿ると、

フジパシフィック出版設立、ポニーキャニオン設立、映画進出(『南極物語』)、夢工場`87開催、引っ越し&お台場アミューズメント化、サーカス事業開始

といった感じ。なんかディズニーの歴史に似ているかも。ちなみに上にあげたようなことを海外のテレビ局がやろうと思っても、法で規制されていてできないことの方が多いはず。日本でも厳密には独占禁止法に触れるだろうけど。

この「CM以外はすべてパブと番宣」というテレビの状況は、“テレビのサルティンバンコ化”と呼ぼう。フジテレビのイベント事業。あのサーカスに“サルティンバンコ”やら“アレグリア”などの変てこな名前を付け、芸能人にべた褒めさせて宣伝するというやつ。なんのことはない、興行主はフジテレビだ。これはいままで説明してきたように、テレビの現在のビジネスモデルそのもの。

テレビ離れやテレビCM崩壊がささやかれる昨今だけど、テレビ局はまずます儲かっているし、テレビCM以上にテレビ番組が崩壊している。もし10年前に青島幸男が亡くなっていたら、翌々日には2時間の追悼特番が組まれていただろうけど、いまのテレビにそんな公共性は無い。稼ぐので精一杯だからだ。都知事としての功績はともかく、民放テレビへの功績で言えば青島幸男は大きいよ。知らない人に説明すると、『いぢわるばあさん』の役者さんだ。

まだまだ書きたいことはあるのだけど、そろそろ『笑っていいとも!年忘れ特大号』が始まるので、この辺で切り上げておくことにしよう。

CM化するニッポン―なぜテレビが面白くなくなったのか
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