2006年に刊行された本ベスト5
2006年に刊行された本の中で、自分が読んだもののベスト5。
・1位 『〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀』町山智浩
町山智浩の“映画の見方”シリーズ第2弾。1980年代の『ロボコップ』『グレムリン』『ターミネーター』や、リンチ、クローネンバーグ、ギリアムといった監督の作品たちが1940年代の『素晴らしき哉、人生!』の主人公が垣間見る“悪夢”の中の退廃した世界をいかに焼きなおしたかという大きなテーマの下、各作品を解題していく一冊。梅田望夫もこれは読んどけ。
・2位 『ブラスト公論―誰もが豪邸に住みたがってるわけじゃない』
これはヒップホップ雑誌『BLAST』に連載されていたラッパー・宇多丸らによる時事放談連載をまとめたもの。ラッパーっていうのは、社会だとか現代人の心性を短いパッセージの中に込めて、しかもキャッチーな表現で表わすことのプロなわけで、それにかけては大概の批評家より宇多丸はすぐれているわけで。今年唯一、徹夜完読した本。でも字が小せえよ。
・3位 『東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・キーワード編』菊地成孔+大谷能生
去年出たのがジャズ史の解説の続編。“ブルースとは何か?”“ダンスとは何か?”“クラブシーンにおけるジャズとは何か?”といった個々のテーマに絞った内容になっている。とくにリンドバーグの大西洋横断の凱旋パレードの瞬間に初めてフリーダンスが生まれるといったようなディスコ史的に重要な出来事をたくさん知ることができた。ブルースを「神経症」「統合失調」など精神分析のアナロジーで語るのが菊地成孔の真骨頂。今度はプロレス史を戦後左翼運動史のアナロジーで語るというのを、ちゃんと本にしてください。
・4位 『ハイスクールU.S.A.―アメリカ学園映画のすべて』長谷川 町蔵+山崎 まどか
80年代から現代かけての学校を舞台にしたアメリカの青春映画の研究本。今のご時世であれば、単なる映画紹介のガイド本にすれば売れるんじゃないかと思うけど、そうではなく、映画の背景や、現実の事件がいかに反映されているかなど、そこを通して見えてくる現代アメリカ批評。
・5位 『アクシデント 事故と文明』ポール・ヴィリリオ 文明やテクノロジーなどの発明は、事故の発明でもあるという、ヴィリリオが以前から掲げていたテーマ。これによると、文明による事故・災害の規模が自然災害の損害規模を超えたのが、一九九〇年代のことだという。本書では、これらの20世紀博物館を作るなら、事故を晒す事故の博物館を作った方がいい、21世紀に起こるであろう未来予想のための事故の博物館を作れと提唱する。 去年公開されたスピルバーグの『宇宙戦争』は、パニックとしてはトライポッドの攻撃よりも、航空機、鉄道、船の事故が印象的に描かれていた。この映画はまさにバーチャルな“事故の博物館”だった。あとヴィリリオはファイナル・デッドコースターを見たら大喜びするかも。 それと地球環境の危機を煽るエコロジー運動に対して、「恐怖感に駆られて行動するとろくなことはない」とナチズム運動に照らし合わせた批判も小気味良し。
・次点 『黒いヴィーナス ジョセフィン・ベイカー―狂瀾の1920年代、パリ』
女優のルイーズ・ブルックスと同じ1906年に生まれて、ローリング・トゥエンティーズと呼ばれる1920年代、パリで活躍し黒人ダンサーの伝記。実はまだ全部読んでない。
読み残しているもの。
月曜社
売り上げランキング: 11511
ブルースインターアクションズ
売り上げランキング: 27130
ブルースインターアクションズ
売り上げランキング: 27026




コメント