よしもとよしとも『東京防衛軍』
『Greatest Hits+3』という短編集に入っている中篇の『東京防衛軍』という作品。初出は1989年かな。その後単行本化して絶版。この傑作集でようやく第一部が再録されたという略歴だったはず。
物語は、東京のウォーターフロントが突如何者かの力によって崩壊、続いて六本木も火の海になる。東京が戒厳令下におかれ、青山、渋谷、代々木、新宿副都心(当時)と被害は広がっていく。その何者かの正体は、顔が安田講堂、うでは「自決する三島由紀夫」、体は東京大空襲、日劇ホール、カミナリ族という“東京ゴースト”=「失われた東京の風景」だった。
ちなみに安田講堂はまだあるけど、この当時は閉鎖→改修のさなかで、消えていた。三島由紀夫が自決した市ヶ谷の旧1号館は防衛庁内に部分的に復元されている。
最終的にこの東京ゴーストには「ノスタルジーにはトレンディーで対抗」ということで「巡航ミサイル村上1号」(「今をときめくベストセラー」ダンス(x3)ならびにノルウェーの森上下巻セットを満載したミサイル」)が発射されるも逆に飲み込まれ、最後は……ここまで書くとネタばれし過ぎか。
『大魔神』、『ゴジラ』のような怪獣ものをベースに、大友克洋的なものを満載したパロディの味付けでバブルの時代を描いたスペクタル。
カバー漫画っていうのをやる試みがいつかあったけど、これの現代版が描かれたらどうなるだろう。バブルも昔のこと。多分、ゼロ年代に登場する東京ゴーストのボディには、どんな忘れ去られたバブルの風景が宿るのか考えてみた。マハラジャ、トゥーリア、マーシーズ(田代まさしのタレントショップ)、ブティック・フルハムロード、なんかあんまり風景じゃないね。ロアビルまだあるしね。
これまたネタばれ気味ではあるが最後に遠藤賢司の歌の歌詞が引用される。
「嫌なら出てけよ 俺は好きさ東京」



浅野いにおを読んだら、よしもとよしとも をムショーに読み返したくなり、未入手だった数冊を買いあさっています。
「日刊 吉本良明」なんて、よしもとファン以外が読んだから面白いのか面白くないのか、冷静に判断できないくらい、私はこの人のファンだってことが判明しました。面白すぎます。岡崎京子の登場するシーンなんて、興奮して、鼻血出そうでした。
地球防衛軍のようなカラっとしたものでも、青い車のようなじんとする短編でも、なんでもいいので、とにかく新作描いてほしいです。
投稿情報: maqui from 26歳 女のいばら道 | 2005年12 月10日 (土) 19:09